アルバム紹介・解説|クイーン『ジャズ』——幅広い多彩な顔を見せる彩り鮮やかな7thアルバム!

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Queen - Jazz|ジャケット画像 アルバムレビュー

大成功を収めた4thアルバム『オペラ座の夜』以来となるプロデューサーにロイ・トーマス・ベイカーを迎え、ファンキーなナンバーや遊び心あるナンバーなど、とても多彩なナンバーが収録された『ジャズ』は、クイーンが新境地を開拓した意欲作である。リリースは1978年。

ちなみにアルバム・タイトルの「ジャズ」はいわゆる音楽のジャンルのジャズを意味してはおらず、「戯言」や「ナンセンス」を意味している。とはいえ、アルバム・タイトルとは裏腹にこのアルバムに散りばめられたナンバーの数々は宝石のような輝きを放っている極上のアルバムに仕上がっている。

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Queen – Jazz|各曲解説

リリース日時 1978年11月10日(英国)
ジャンル ハードロック
収録時間 44分39秒
レーベル EMI

ムスターファ – Mustapha(フレディ・マーキュリー)

Queen – Mustapha (Official Montage Video)

歌詞は英語、アラビア語、そしてペルシャ語で歌われていることからも分かる通り、中近東の音楽の要素がふんだんに盛り込まれたナンバーとなっている。こんなナンバーはこれまでのクイーンでは全く考えられない新境地を開くナンバーで、この『ジャズ』がこれまでのクイーンとは違っていることをこの一曲で知らしめている。

曲調は、最初、コーランの読経のような節回しでフレディ・マーキュリーが歌い出し、そして、ドライヴ感たっぷりのバンド演奏に中近東の音楽の音階で最後まで、フレディ・マーキュリーが歌い上げるという大変高度なことをやってのけているのだ。ブライアン・メイのギター・テクニックも冴えに冴え渡っている。

ファット・ボトムド・ガールズ – Fat Bottomed Girls(ブライアン・メイ)

Queen – Fat Bottomed Girls (Official Video)

多少ではあるが、ゴスペル調にも聞こえるコーラスが印象深い一曲だ。このナンバーもこれまでのクイーンでは考えられないナンバーで、黒人音楽の要素を盛り込んだブライアン・メイの作曲能力には舌を巻く。

リード・ヴォーカルはフレディ・マーキュリーが務め、水を得た魚のように暴れ回っている。ブライアン・メイ作曲のナンバーだけあってギター・アレンジは凝りに凝っていて、唸るギターは流石としかいえない。途中スライド・ギターも織り交ぜ、分厚いサウンドを作り上げている。

ジェラシー – Jealousy(フレディ・マーキュリー)

Queen – Jealousy (Official Lyric Video)

途中のまさにインドの民族楽器、シタールの音色を忠実に再現したとしかいえない、ブライアン・メイがアコースティック・ギターのフレットの下にピアノ線を置いての演奏が印象深いバラード曲である。

リード・ヴォーカルのフレディ・マーキュリーがピアノの弾き語りで歌うこのナンバーは、フレディ・マーキュリーにしか出せない切々とした歌いぶりが光る上質のバラード・ナンバーに仕上がっている。

バイシクル・レース – Bicycle Race(フレディ・マーキュリー)

Queen – Bicycle Race (Official Video)

この曲は余りにも有名なナンバーだ。現在も自転車が走っているテレビ画面のBGMとして使われることが多いので、誰もが一度は耳にしたことがある曲である。

力強いフレディ・マーキュリーのリード・ヴォーカルはもちろんのこと、うねるような疾走感に満ちたコーラスはクイーンにしかできない高度な「業」であり、自転車レースの様子が思い浮かぶような曲調に華美な花を添えている。

うちひしがれて – If You Can’t Beat Then(ジョン・ディーコン)

Queen – If You Can't Beat Them (Official Lyric Video)

ジョン・ディーコンの手になるオーソドックスなロック・ナンバーだ。リード・ヴォールはフレディ・マーキュリーが務めていて、迫力ある歌声を聞かせている。

中でも、ブライアン・メイのギターが冴え渡っていて、時にヴォーカルとユニゾンになったりと、その自在感は開放的で、雄大さも抜群な演奏を聴かせている。

レット・ミー・エンターテイン・ユー – Let Me Entertain You(フレディ・マーキュリー)

Queen – Let Me Entertain You (Official Lyric Video)

フレディ・マーキュリーらしい転調を織り交ぜながらのハード・ロック・ナンバーである。曲の構成は当然入り組んでいて、それを自在に歌うフレディ・マーキュリーのヴォーカルの素晴らしさは言うに及ばず、ブライアン・メイのギター・テクニックが冴え渡るこのナンバーは、クイーンの持ち味が存分に発揮された聴き所満載のナンバーだ。

また、遊び心も忘れず、時にフレディ・マーキュリーは笑い声を織り交ぜてのヴォーカルを繰り広げていて、フレディ・マーキュリーという傑出した才能が物凄く光るナンバーである。

デッド・オン・タイム – Dead on Time(ブライアン・メイ)

Queen – Dead On Time (Official Lyric Video)

疾走感あふれるこれまたクイーンの持ち味が存分に発揮されたハード・ロック・ナンバーである。

ブライアン・メイのビートの効いたギターは相変わらず冴え渡り、それに心地よさそうに乗るフレディ・マーキュリーのヴォーカルは絶品で、迫力満点のナンバーだ。

セヴン・デイズ – In Only Seven Days(ジョン・ディーコン)

Queen – In Only Seven Days (Official Lyric Video)

心温まる滋味深さが感じられるジョン・ディーコンの手になるナンバーで、このナンバーもそうなのだが、ジョン・ディーコンの作曲能力の高さは素晴らしいの一言で、また、リード・ヴォーカルのフレディ・マーキュリーが聴かせるのだ。

切々と歌うフレディ・マーキュリーの歌声は聴くものの心に染み渡り、どこかノスタルジーを感じさせるそれは、どれほどにフレディ・マーキュリーのヴォーカルが素晴らしいか感嘆せざるを得ない。

ドリーマーズ・ボール – Dreamer’s Ball(ブライアン・メイ)

Queen – Dreamers Ball (Official Lyric Video)

ブライアン・メイのギターとフレディ・マーキュリーのヴォーカルのランデヴーがとても心地よいナンバーだ。

また、アコースティック・ギターの音色が優しく聴くものを包み込み、深く心に染み入るこのナンバーは前曲に続いてノスタルジックな味わいあふれたナンバーに仕上がっている。

ファン・イット – Fun It(ロジャー・テイラー)

Queen – Fun It – (Official Lyric Video)

ロジャー・テイラーの手によるファンキーなナンバーだ。ロジャー・テイラーにおいてもその作曲能力の高さは素晴らしい。野太いビートが弾むこのナンバーで、ベースはロジャー・テイラーが担当している。そのテクニックは度肝を抜くほどに上手く、弾むビートをたたき出している。

リード・ヴォーカルもロジャー・テイラーが務めていて、その変幻自在のヴォーカルには溜息しかでないほどに聴き惚れるばかりで、ビートに乗るその歌いぶりは絶品である。

去りがたき家 – Leaving Home Ain’t Easy(ブライアン・メイ)

Queen – Leaving Home Ain't Easy (Official Lyric Video)

チョーキングを多用したギターが印象的な出だしのこのナンバーではブライアン・メイがリード・ヴォーカルを務めている。バラード・ナンバーなのだが、そこはクイーン、ありきたりのバラード・ナンバーではなく、どこかミステリアスな雰囲気を醸し出しながらのバラード・ナンバーとなっていて、独特の味わいがある。

また、アコースティック・ギターの素朴な味わいが何とも心憎いナンバーで、ブライアン・メイのヴォーカルもその才能は傑出していることがよく分かる楽曲だ。

ドント・ストップ・ミー・ナウ – (フレディ・マーキュリー)

Queen – Don't Stop Me Now (Official Video)

このナンバーも大変有名で、誰もが一度は耳にしたことがあるはずである。ピアノの弾き語りで始まり、静と動が劇的な作品である。ドラマチックなナンバーを歌わせればフレディ・マーキュリーの右に出るものはいないと思わせるほどにフレディ・マーキュリーのリード・ヴォーカルは秀逸で、また、クイーンならではの美しいコーラスも素晴らしく、聴き応え十分な楽曲である。

モア・オブ・ザット・ジャズ – More of That Jazz(ロジャー・テイラー)

Queen – More Of That Jazz – (Official Lyric Video)

終曲はロジャー・テイラーがリード・ヴォーカルを務めている。ギターとベースもロジャー・テイラーが担当している。このナンバーで更にロジャー・テイラーの音楽的な才能の高さを思い知らされることになる。

曲調は、ビートが印象的な骨太のロック・ナンバーとなっていて、また、ロジャー・テイラーのヴォーカルが聴かせるのである。しかし、途中、フレディ・マーキュリーのヴォーカルが前面に出たカオス的な雰囲気を漂わせた音作りをしていて、まさに「ジャズ」なのである。

まとめ

この『ジャズ』でクイーンは新境地を切り拓いたように見える。1曲目の中近東の音楽を取り込んだクイーンの意気込みが感じられるナンバーを始め、これまでに聴かれなかった曲作りがとても印象的で、クイーンは新たな魅力を見せていて、既にそれは堂に入っているのだ。

絶えず進化をやめないクイーンというバンドの底知れない能力には流石としかいいようがないが、世界的なバンドになっても挑戦を続けるクイーンには頭が下がる思いだ。だからこそ、クイーンは、ずっと第一線を走り続けることができたのであり、世界中の人々に今も愛されるバンドなのがこの『ジャズ』を聴いて思い知らされる。

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この記事を書いた人

1964年生まれ。栃木県在住。自費出版で小説『審問官』シリーズを第三章まで出版。普段はフリーのライターとして活動中。嘗ての角川書店の音楽雑誌「CDで~た」の執筆・編集・企画を担当という経歴の持ち主。

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